2010年5月18日火曜日

ルーシー・リー展、NINAGAWA BAROQUE

地下鉄の車内からルーシー・リーの展覧会ポスターが、目に入った時一瞬信じられなかった。いつごろ知ったのかは記憶にないが母の陶芸の資料から見つけたのだと思う。一目で好きになったルーシー・リーの作品を、京都の恵文社で作品集を求めてからは時々本を開いて部屋で眺められるようになったけれど、本物を日本で見られるなんて思ってもいなかったから、ポスターを見つけた時から楽しみにしていた。



展覧会は一人で行って自分のペースで観ることが多いのですが、今回は珍しく彼も観たいというので一緒に行ってきました。行く前から二人とも期待でわくわくしていて、こういう時案外期待はずれだったりするものだけど、今回はその期待をさらに上回って素晴らしかった。ルーシー・リーは釉薬の研究に熱心だったそうで、表情の違う器がたくさんあるが、そのどれもがとても魅力的でいいなあと思えてしまうことがすごく不思議。イギリスに移住してしばらく仕事のために作っていたというボタンたちは、ひとつづつ型を作って作られている、とても手の掛かるものできらきらと美しい。現代的であると同時に遺跡の中から発見されたような、ヨーロッパの歴史が感じられるような気配も持っていたと思います。


私にとってすごく発見だったのは器の形に揺らぎがあるということでした。写真で見ているといつも視点が固定されているからとても硬質な印象があったのに、実際にぐるっと歩きながら器を眺めると、形は決して固定されていずに揺らいでいるのです。それでいてきりりと決まっている。かっこいいなあ、大きいなあーと感激しっぱなしでした。



そして。各々勝手に見ながらも時折合流してはかっこいいなあ!と感動していた最中もずっと相方が気にしていた事、それは展示会のバネル。フォントは全体に大きめに組んであるので作品解説も読みやすく親切だったのですが、この書体はタテ組用でヨコ組には向いていないし選択したウエイトが良くないとぶつぶつ.......。そういえばちょっと目がちかちかするかな、と云ったらそれは白と黒の分量が同じくらいだから読みづらいんだと。もうすこし、太いか細いかした方がいいんだ、ぶつぶつ、そもそもこの書体は違う、リューミンかヒラギノにしたらいいじゃないか、ぶつぶつぶつ。なんか気の毒ですらあります、そんなに気になるものかなぁ....、職業病なんでしょうね。ちなみに私はまったく気になりませんでしたがそれもどうなんだろう!?




ルーシー・リーを堪能した後ランチは神宮前に移動して、ル・プレヴェールに行ってみることに。きちんとした材料で手で作られた料理はカラダにも良さそうで美味しかった!このランチはお得ですね。ここは自然派ワインがウリなのに薬を飲んだばかりだったので自粛....残念〜〜。(....美術館でくしゃみを連発していたのは私です、いらしてた方すみません!)しかしこのGYLEというビル、3FにMoMA デザインストアがあって、その隣りのEYE OF GYLEでもイベント展示をしているし、B1Fもベーカリー、グロッサリー充実していて、隔週末でファーマーズマーケットもしているらしく、美しいものとうまいもの文化と揃った場所になっていてなかなか面白そうです。





さてしっかりエネルギー補給が終わったので次は恵比寿へ。NADiffに来るのは久しぶりでしたが迷わずに到着。不思議な場所だからカラダが記憶するのかな? 蜷川実花さんの写真、大きな会場でうわーーーっとあるの好きですが、狭い空間にぎゅっとさせるのも彼女らしいのかもしれないと思いました。今回は地下のどピンクの部屋がくらくら来て笑えて好きでした。


ルーシー・リーと蜷川実花、女性という以外に共通点はないようにみえます。それなのにどちらもものすごーーく好きな作家です。共通するところを探ってみるのも面白いかもしれないですが、このまま好きというだけで当分はいいかなぁと思っています。幸せたっぷりな一日でした。


最後に。NADiffのブックストアで見つけた新聞形式の季刊誌、とても良かったです。こういう薄くて大きな紙の印刷物、たまに見つけるとすごく嬉しい。昔アニエスbがモノクロ写真をぺらぺら紙にプリントして折り畳んだものを配っていたのもよかったなぁ。


2 件のコメント:

  1. ルーシー・リー、21-21でやっていた時から観にいきたくて、
    今回は絶対いくーと思っていて。。。
    やっぱりいいのですね、楽しみ。。
    ボタンみました?

    そして、本日のGYLEに、おそらく同じ時間帯にいたと思われる。
    地下にいたのですよ〜。
    人ごみ地帯のオアシス的な感じでけっこう出没しております。
    ポルトガルのイベント展みました?

    3つの展覧会、行きたいとおもいまーす。

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  2. 良かったですよぉ、ルーシー・リー。後から展覧会サイトを見てわかったのですが日本では随分人気があるみたいですね。ボタンも最高です!!

    ポルトガルのイベント展見てないんです、気になってるのでもう一回GYLE行ってみます。あそこいいですね、うん、オアシスだ。

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