2010年6月18日金曜日

西村一夫展

先週の土曜日、札幌時代にお世話になった西村先生の個展にMちゃんと行ってきた。絵を観ながら先生と三人でおおいに話が盛り上がり、Mちゃんが書をしていることがわかると話題は書の話になった。無礼講というか自由に意見を言ってもいい雰囲気になるのは西村先生の人柄なんだろうけど、とても楽しく話しができて濃い時間だった。今回の展示は札幌では壁一面に展示したというキャンバスのロールに描かれた座る人たちと、彼らの内面のこころもちを描いたという抽象画「内なる風景」で構成されていた。明るい色彩が主調となって描かれている内なる風景シリーズはおもしろくて、絵を眺めていると観ている側の気持ちが次第にその色彩に影響され、観ている間に自分のこころもちがすこしづつ変化しているような気分になるのだ。最初は自分が絵を観て、これはいいなとか、ちょっと気分じゃないなとか思っているのに、いつのまにか逆転して絵に自分の心が左右されてくる。すごく面白い体験だった。


その後土曜日の銀座なんてどこも人だらけなので、三越のデパ地下でいちごジュースを買って歩行者天国のベンチに陣取って、マンウォッチングをしつつひとしきり喋ってからMちゃんの家へ。Mちゃんママの美味しいお菓子とお茶をご馳走になりながら旅行記録の山をひとしきり見せてもらい、再び書に話が戻って日比野五鳳の作品集も見せてもらった。かっこいいなーと思って見ていたけど、いまこれを書きながら調べたら昭和の三筆のひとりだと分かった!! うわ!何も知らないで(説明はしてもらってるはずだけど聞いてない。ごめんなさい。)20代はじめに岐阜の記念美術館まで行ってたんだ! うわぁ〜〜〜。...いいもの見ていたなあ私。しみじみ。


しかしインパクトあったのは、練習中の書を見せてもらったこと。五センチくらいの厚さはあったけど腰の高さまで書くことが今の目標と訊いて、がーんとなった。ものすごくいい意味のがーーーんである。なんだか清々しい気持ちになった。


この日はとても大切なことを沢山話して、沢山ミラクルが起きたような気がするのに、すべて細胞に吸収されてしまったような感じで実はきちんと思い出せない。でも何かが良い方向へ、ぐいっと動いたような気がする。これを忘れないようにしっかり生きていかなくてはと心に刻んだ。



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