ワタリウム美術館の現代美術コレクションからなる「ハートビート展」関連企画のスペシャル・レクチャー:出演 浅田彰 を聴いてきました。
美術の鑑賞の仕方にはいろいろあるけれどもコレクターのお宅でお茶を飲みながらアーティストの話などしながら鑑賞するというのも、美術の味わい方のひとつだけどきょうはそんな雰囲気で、ということで色々なエピソードを話してくださいました。
・・・現代アートはアメリカのものという風潮が強いけれど、ボイスやブロータスのようなヨーロッパのアーティストもいて、しかし彼らはどうも社会運動家のような部分があったりしてわかりづらいところがある。謎めいたところ、不思議な部分がしかし、不思議な自由さを育んでいる...価値があるのかどうかもわからない。でもだからこそ対話したくなるし、しなければならないのではないだろうか。
ヨゼフ・ボイスとマルセル・ブロータスは同じようなことを考えつつも、かたやドイツに生まれリーダー的に皆を引っ張って行ったが、ベルギーに生まれたブロータスは前に出ることは無く(できなくて)ちょっと斜に構えているようなところがあり、ボイスをワーグナー、ブロータスはオッフェンバッハに例えて対立させていた。(本人がそう考えていた・・のだと思う。記憶があやふや)
ブロータスは作品を残す、ではなく「モノがなくなっていく」ことに取り憑かれ、消え去って行く楽しみを作品にしてもいる。LA PLUIE(1969)はマラルメをペンで綴る男に雨が降りそそぎ、書くそばからインクが流れて行くというフィルム。
アメリカのアートが大文字のARTだとすると、彼らは小文字のartであり、いい意味でのマイナーなアートを象徴する人たち。大文字のARTは正面から向かって行くから解りやすい反面風を真に受けて苦しいところもあって、小文字のartはマイナーな分、アメリカ式からも自由になっている....
この日の浅田彰さんの話を聴くうちに、いままでとっつきにくいと思っていたアーティストの作品なのに、実は知らぬ間に影響を受けているのかも...と気がついたのがこの日の収穫です。回り回ってどうやら影響を受けているらしいとわかったので、元のところをもっと観たいなと。
そして。浅田彰さんサイコーです!!アタマの切れ方が半端なく速くて、話がスピーディー。なのにわかりやすくて、レクチャー後はとてもすっきりした気分でした。きっと左脳と右脳がおなじくらい開いていて、左右の脳の通じがいいんだと思います。聴いている自分も左脳と右脳の通じがよくなってスッキリ〜〜〜。
展覧会はレクチャーの前にさらっと観ただけなので、開催中にもういちど行くつもりです。ワタリウムのいいところですね!
ハートビート展
時代にキスして
I LOVE ART 11
み
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