2012年7月3日火曜日

雨上がりの空に

玄関先の巾三間くらいの道路は右に100m行くと公園の桜並木に遮断され道は左右に分かれる。

5月に来る予定がひと月以上も遅れて、父と母は親戚のOさんの運転でその朝我が新居にやって来た。ここに引っ越して初めて、前回の訪問からは5年ぶりの上京。昨夜の雨はどうにか上がり、薄日の射す天気になった。
料理を食べながら近況などをOさんを中心に話が進んで行く中、父は「ちょっと」と言って横になった。あれほど新幹線を進めたのに、疲れるのは分かっているのにと、あの時の私はすこし冷ややで、でも東京駅まで迎えにゆけない自分が少し恥ずかしかった。
夕方には家に着きたいと言う事で、昼にはもう帰り支度を始める。一足先に父は玄関を出て「タバコを吸ってくる」と言って一人公園に向かって歩いて行った。
本当はタバコなんかはもう吸えない状態だったと思う。少し遅れて私たちの用意した土産などを車に積み込み母とOさんが出発、桜並木を背にこちらを向いている父の方に向かった。

私と父は100m離れて対峙している。その時父は両腕を上に伸ばし、手のひらを広げ、腕を上げたり下げたりと子供が「バイバーイ」をするみたいに。何回かくりかえしてみせた。妻は「お義父さん子供みたい」と言い。今までそんな姿を見た事がなかった私は、父の年齢から考えると今回の上京がもしかしたら最後になるかもしれない....。なんて漠然と考えていた。
父を乗せた車は角を曲がって見えなくなった。7月初旬、父危篤の連絡を受ける。

2年前の今頃の話。



マサ


0 件のコメント:

コメントを投稿